
AI支援のフィッシング、Googleログインを中継しMFAも突破 Talos報告
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Cisco Talosが、台湾の研究機関関係者を狙う攻撃グループUAT-11985を報告した。AI支援とみられるイベント招待メールから、Googleのサインイン画面を模したリアルタイムのAitMキットへ誘導し、資格情報とMFAチャレンジを中継して認証済みセッションを奪う。改変したポスターのQRコードも使われていた。
何が発表されたか
Cisco Talosは2026年10月8日、攻撃グループUAT-11985の活動に関する調査を公開した(執筆はJoey Chen)。TalosはUAT-11985をAPT(持続的標的型攻撃)と位置づけている。
報告されている手口は次のとおり。
- 台湾の機関を装ったイベント招待メールによるスピアフィッシング。文面にはAIを使ったテンプレート的な作成の痕跡がある
- リンクの表示文字列は正規のGoogleフォームのURLに見えるが、遷移先はフィッシングページ
- リアルタイムのAitM(adversary-in-the-middle)キットがGoogleのサインイン画面を模倣し、HTTP POSTとWebSocketで被害者とGoogleの間の資格情報とMFAチャレンジを中継して、認証済みセッションを取得する
- 正規のイベントポスターを改変して悪性のQRコードを埋め込む手法も確認されている(印刷物を見た人も対象になる)
標的は台湾の研究機関に所属する個人で、台湾のEUセンター、大学の国際関係研究所、研究機関などを装ったメールが届いていた。キットはzh-CN、zh-TW、英語のロケールに対応しており、中国語を使うGoogleユーザーが対象と見られる。Talosは、キットのインターフェースが簡体字中国語を主な作業言語とする開発者によって作られたものと中程度の確度で評価しているが、特定の国や組織への帰属は示していない。
取るべき対応
MFAを有効にしていても、認証の過程そのものを中継されるとセッションを奪われる。コード入力型のMFAに依存している組織は、この前提で運用を見直したい。
- フィッシング耐性のある認証(パスキー、FIDO2セキュリティキー)への移行を検討する
- リンクは表示文字列ではなく実際の遷移先を確認する。イベント招待や共同研究の打診は、送信元の組織に別経路で確認する
- 印刷物やスライドのQRコードも確認対象に含める
- 不審なサインインやセッションの発生を検知できるよう、Googleアカウントのログイン履歴とアラートを確認する
Talosは検知情報として、ClamAVシグネチャ Html.Phishing.UAT11985-10060614-0、Snort2のSID 1:67198、Snort3のSID 7:31 を公開しており、IOCはTalosのGitHubリポジトリで配布している。
