relation、社内設置型AIサーバ「Ajito」発表 外部送信なしで議事録・AI-OCR
オンプレミスAI議事録AIAI-OCR国内中小企業DX
株式会社relationが10月14日、社内設置型のAIサーバ「Ajito(アジト)」を発表した。プライベートChatを基本機能とし、文字起こし・議事録AIとAI-OCRをオプションで提供する。AI処理を社内サーバで完結させ、入力情報を外部AIサービスへ送らない運用を想定する。
何が発表されたか
- 株式会社relation(代表:井上秀士)が2026年10月14日、社内設置型AIサーバと業務サービス「Ajito(アジト)」を発表した。
- 基本機能:プライベートChat。要約、比較、論点整理、案内文の下書きなどに使え、基本価格に含まれる。
- 業務オプション
- 文字起こしAI・議事録AI:録音音声のテキスト化と議事録のたたき台作成。認識結果は担当者が原音と照合して確認する運用を前提とする。
- AI-OCR:帳票や報告書の紙面から文字情報を抽出してデータ化。将来的にChatでの検索・集計も構想している。
- 処理方式:AI処理は社内サーバで行い、入力情報を外部AIサービスへ送らない運用を想定。ただし社外通信を伴う機能の範囲や、ログ・保存・バックアップの扱いは導入構成に応じて確認するとしている。
- 想定業務:人事・労務の面談記録、運輸の点検票、製造業の品質会議、建設業の工事日報など。
- 開発中・搭載予定:社内資料を参照するナレッジサーバ、コーディングAI、一次調査を支援する「無人保守.AI」。提供範囲や時期は未確定。
- 参考価格(予価):ライト148万円、標準248万円〜、エンタープライズ380万円〜。買い切りか月額課金かは検討中。提供開始時期は確定後に案内。
- 展示会出展:Japan DX & AX Week【秋】(2026年10月21日〜23日、幕張メッセ)。
実務への影響
クライアントから「社内の議事録や帳票をAIに処理させたいが、外部に出すのは不安」と言われる場面は増えている。この手のオンプレミス型AIサーバは、その不安に対する既製品の回答として選択肢に挙がる。価格帯が148万円〜と明示されているのは、概算見積もりを即座に出せる点で提案しやすい。
ただし評価時に確認すべき点がいくつかある。(1) 「外部に送らない」の範囲——プレスリリース自体が「社外通信を伴う機能の範囲は導入構成に応じて確認」と留保している。ライセンス認証やモデル更新で通信が発生するかは個別に詰める必要がある。(2) モデルの更新方法——オンプレ機は数年単位で使うため、モデルが陳腐化したときに差し替えられる構成かどうかで寿命が変わる。(3) 議事録AIの精度責任——同社も「担当者が原音と照合して確認する」と明記しており、人の確認工程を業務フローに組み込む前提で設計すべきだ。
提案の立て付けとしては、ハードウェア導入そのものより「どの業務をこのサーバに載せるか」の整理が制作・コンサル側の仕事になる。まず議事録、次にOCR、という段階導入のロードマップを描けると価値が出る。
補足
価格は予価で、税区分や仕様は確定していない。提供開始時期も未定。なお代表者名がリリース本文では「井上秀士」、会社概要欄では「井上亮」と表記揺れがある。
