JAPAN AI、AIエージェントがWeb脆弱性を診断する「JAPAN AI Cyber」トライアル開始
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JAPAN AI株式会社が10月14日、AIエージェントが攻撃者視点で企業のWebサイトやシステムを評価する「JAPAN AI Cyber」のトライアル受付を開始した。公開情報の分析、認可対象へのアクティブスキャン、根拠付きの報告と再検証までを支援し、初回診断は無料。
何が発表されたか
- JAPAN AI株式会社(東京都新宿区、代表取締役社長:工藤智昭)が2026年10月14日、AIエージェント型のWebセキュリティ評価サービス「JAPAN AI Cyber」のトライアル受付を開始した。初回診断は無料。
- 診断は3工程で構成される。
- 公開情報に基づく分析:HTTPヘッダ、TLS設定、公開DNSレコードなどから設定不備やリスクを洗い出す。
- 認可対象へのアクティブスキャン:事前登録したドメインに対し、ポート走査、公開パスの探索、既知脆弱性(CVE)の照合、認証画面の検証などを実施。OWASP WSTGの方法論に基づく。
- 根拠付きの報告と再検証:所見ごとに証拠・影響・修正の優先順位・具体的な修正案を提示し、修正後に同じ観点で再検証する。
- 運用上の配慮:AIが調査を主導し、同社担当者が所見を確認してから報告する。案件ごとに独立した隔離環境で実行し、完了後に環境を破棄。未登録ドメインへの通信はネットワーク層で遮断する。
- モデルの扱い:高性能なクローズドモデルとゼロデータ保持のオープンウェイトモデルを工程に応じて併用し、いずれも契約クラウド事業者の推論基盤で実行。入力データはモデル開発元に送信されず、社内データをLLMの学習に使わせない方針を適用する。
- 自社ベンチマーク:CTI-REALM(脅威情報から検知ルールを生成)で77.8%、CyberGym level1(脆弱性の再現検証、100タスク抽出)で92.0%としている。
- 背景データ:警察庁によると2026年上半期のランサムウェア被害届出は123件で半期として過去最多。脆弱性を探る不審アクセスは1日1IPあたり13,687件で前年比50.7%増。JPCERT/CCへのWebサイト改ざん報告は2026年4〜6月に181件で前四半期の約2倍。
実務への影響
Web制作を受けている側にとって、背景データのほうが本題かもしれない。サイト改ざん報告が前四半期の2倍という数字は、納品済みサイトの保守契約を見直す十分な理由になる。
提案に使うなら、こう整理できる。無料の初回診断で公開情報ベースの所見を取り、設定不備(HTTPヘッダ、TLS、DNS)レベルの指摘が出たらそこは自分たちで直す——ヘッダ追加やTLS設定は保守工数の範囲で対応できることが多い。そのうえで、アプリケーション層の継続診断が必要かをクライアントと相談する、という二段構えだ。診断レポートが「証拠・影響・優先順位・修正案」の形で出てくるなら、そのまま見積もりの根拠資料として使える。
注意点として、同社も「すべての脆弱性の検出や対象の安全性を保証するものではない」と明記している。自動診断は手動ペネトレーションテストの代替ではなく、棚卸しと定点観測の道具として位置づけるのが妥当だ。アクティブスキャンは事前の診断同意書とドメイン登録が前提になるため、他社が運用するサーバーやレンタルサーバー上のサイトでは、事業者の規約確認も忘れないようにしたい。
利用条件
対象はWebサイトやシステムを運用する企業。既存利用企業が中心だが新規申し込みも受付。申し込み後に診断同意書の締結と対象ドメイン登録を経て診断開始、登録前は公開情報に基づく分析のみ。問い合わせフォームの内容欄に「JAPAN AI Cyber トライアル希望」と記入する。
